アジア太平洋管理会計学会 
Asia-Pacific Management Accounting Association
(英語サイト)

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APMAA Japan  2024年1日3日更新
 

 

APMAAの設立経緯と沿革

経営管理と会計を繋ぐ管理会計を専門領域にしているアジアと豪州の大学研究者が200211月に福岡市に集まり(APMAA 2002)、設立を決めたことがAPMAAのスタートです。それから2年後にマレーシアのUniversiti Teknologi MARA (UiTM) が主催したAPMAA 2004をもってAPMAAの正式 の発足としています。APMAA設立の目的は、アジア太平洋諸国で行われてきた管理会計の実務と研究を お互いに学び合い、国際的なコラボレーションを推進することでした。当時は、トヨタ生産システム(Toyota Production System) など日本の製造業の管理技法を除いては、アジアの管理会計が欧米から 注目されたことはありませんでした。


第三回大会となったAPMAA 2006 (福岡大会)、その後のAPMAA 2007 (中国成都の西南財経大学大会) APMAA 2009 (九州の別府大学大会)まで、西村 明氏 (九州大学名誉教授 が会長としてAPMAAの活動をリード されました。APMAA 2009大会において、2010年 から第2代 の会長として上埜 進氏 (甲南大学名誉教授) APMAAをリードすることに 決まりました。当時の最大の課題は、組織のサステイナビリティをどう担保し、さらなる発展を成し遂げるかであり、開催国の持ち回りによる参加者の 増大を施策として打ち出し、実行に移されました。国立台湾大学が主催したAPMAA 2010 (6th conference)では、それまで一桁台にとどまることもあった海外参加者が34名 と飛躍的に増え、APMAA 2011 (マレーシアUiTM大会) では海外 参加者62名を含む150名の参加者があ り、年次大会のスケール拡大を成し遂げました。


その後、APMAA 2012を中国の厦門大学が、APMAA 2013を名古屋大学をメイン会場にAPMAA Japanが、APMAA 2014(10th conference)をバンコクの Chulalongkorn University主催し ました。2014年に はガバナンス体制を刷新し、組織の安定的運営とサステイナビリティの強化をはかるために理事長制を導入し、上埜 進氏が理事長に就任し現在に至っております。同時に、より多くのAPMAA指導者を 育てるために、会長職の任期を原則1年と して輪番制を導入しました。なお、インドネシアの六大学連合が主催した翌年のAPMAA 2015では133本の研究報告があり、国立台北大学が主催したAPMAA 2016では海外参加者が17ケ国から80名 ありました。APMAA 201711月初旬に中国の名門校 上海交通大学で開かれました。また、APMAA 2017東京で開催され106名の海外参加者を集めました。


 なお、アジアの時代の到来とともに、近年、APMAA 年次大会への欧米からの参加者が大幅に増加しています。2019年度大会(15th conference)は 、欧米から地理的に近い中東カタール のドーハでの開催となっており、この傾向に拍車がかかるものと想定しています。2020年度以降、マレーシア、ジャカルタ、バンコック、西安と2023年度大会まで開催都市が決まって い ます。 参加者の動向次第では、将来、オセアニアやヨーロッパで年次大会を開催することもあるかと思っています。

 

APMAAでは、フラグシップとなるAsia-Pacific Management Accounting Journal (APMAJ) 200612月から発行してい ます。当初は年一回の発行でしたが、2010年から6月と12月の年2回発行とな りました。同ジャーナルの評価は年々高まっており、現在、Thomson Reuters’ Emerging Sources Citation Index (ESCI) Ebscohost Cabell’s Directory of Publishing Opportunities in Management (www.cabells.com) 等にインデックスされています (2019131日 更新)
 

 


APMAA Japan の組織
について
(As of January 1, 2019)

 日本国内でのAPMAA 活動を支援するためにAPMAA Japanを設置する。 

  1. APMAA Japanは次の理事・会員でもって構成する。 

   代表理事 Managing Director:  APMAA Japanを運営すると同時に、その戦略を策定・実行する。
    副代表理事 Associate Managing Director : 代表理事を補佐し、APMAA Japanの運営を分担する。

   常務理事 Senior Director:  代表理事を補佐し、APMAA Japanの運営を分担する。

   理事 Director:  代表理事・常務理事の依頼によりAPMAA Japanの運営を分担する。

   普通会員 Ordinary members:  日本選出のAPMAA  membersAPMAA Japanの普通会員とする。

   機関会員 Institutional member:  企業、研究・教育機関は機関会員とする。 

  2. APMAA Japanは次の活動を主要任務とする。

    日本における会員の拡大を行う

    APMAA Annual Meeting (年次大会) およびAPMAAの活動を支援する

    APMAA 年次大会記を執筆し、国内の主要ジャーナルに掲載 する

    APMAJ の日本での在庫を管理し、購読者を増やす
 

 

      Members of the Board of Directors of APMAA Japan (役員)

as of  January 1, 2023

Ueno, Susumu  (上埜 進), Managing Director 代表理事), (ueno@konan-u.ac.jp), Konan University(甲南大学)
Hosomi, Shoichiro
(
細海昌一郎), Associate Managing Director (副代表理事), (hosomi@tmu.ac.jp) , Tokyo Metropolitan University (東京都立大学)
Nakashima, Masumi
(
中島真澄), Senior Director (常務理事),
 (mnakashima@bgu.ac.jp) , Bunkyo Gakuin University (文京学院大学)

Takeda, Fumiko  (武田史子), Director (理事),  (ftakeda@kbs.keio.ac.jp),  Keio University (慶応義塾大学)

Kim, Jae Wook (金宰U), Director (理事), (jaewookk@hiroshima-u.ac.jp), Director, Hiroshima University (広島大学)

Keita Tanahashi (棚橋慶太), kt-tana@hue.ac.jp, Hiroshima University of Economics (広島経済大学)

Matsuoka, Kohsuke (松岡孝介), Director (理事), ((matsuoka@mail.tohoku-gakuin.ac.jp) Tohoku Gakuin University (東北学院大学)

Hayashi, Naoki (林尚毅), Director (理事), (hayashi@biz.ryukoku.ac.jp), Ryukoku University(龍谷大学)

 

APMAAの活動に積極的に参加なさりたいとお考えの方は ueno@konan-u.ac.jp  までご連絡ください。

 
APMAA has two membership categories, as below:
   Member:
Professors, Lecturers, CMA, CPA, Tax accountant, Financial analyst, etc.  

Members (as of April 1, 2022)   Membership  

Ueno

Susumu

Japan

Konan University

Hosomi

Shoichiro

Japan

Tokyo Metropolitan University

Nakashima

Masumi

Japan

Bunkyo Gakuin University

Takeda

Fumiko

Japan

Keio University

Kaneda

Naoyuki

Japan

Gakushuin University

Matsuoka

Kohsuke

Japan

Tohoku Gakuin University

HayashiI

Naoki

Japan

Ryukoku University

Enomoto

Yoshihito

Japan

Bunkyo Gakuin University Graduate School

Mori

Yuji

Japan

University of Shizuoka

Masako

Saito

Japan

Kansai University

Kawai

Yukari

Japan

Komazawa University

KIM

JAEWOOK

Japan

HIROSHIMA UNIVERSITY

Tanahashi

Keita

Japan

Hiroshima University of Economics

Yoshimi

Aki

Japan

Hokkaido Information University

 

 

 

 

APMAA 本部
930-0992 富山市新庄町3-7-47 上埜ビル2F
(Mobile) 080-6130-3083

 

アジア太平洋管理会計学会の年次大会案内および大会記の掲載ジャーナル

 毎年の年次大会の日本語による大会案内および大会記は会計監査ジャーナル、週刊経営財務(経営財務 - 検索結果 (zeiken.co.jp)) 、産業経理、企業会計に掲載 させて頂いております
また、以下に
日本語による直近の大会
記のPDFを掲載して おりますので、クリックしてご覧ください。

   

 

  2023インドネシア大会

2022バンコック大会

 2021 インドネシア大会

2020  マレーシア大会  (COVID-19につき中止)

2019  カタール大会

 2018  東京大会大会記

 2017  上海大会記

 2016  台北大会記

 2015  インドネシア大会記

 2014 バンコック大会

 2013 名古屋大会

  2012  中国厦門大会

 2011 マレーシア大会

2010 台北大会

 2009 別府大会

 


 

 

アジア太平洋管理会計学会(APMAA)2022年度大会記

 

Asia-Pacific Management Accounting Association代表、甲南大学名誉教授 上埜 進
 

( 36頁)

はじめに

Asia-Pacific Management Accounting Association(APMAA)は、11月8日(火曜日)から11月11日(金曜日)までの4日間、タイのバンコクにて2022年度大会(APMAA 2022)をハイブリッド・モードで開催した。同大会にはAPMAA会員180名が参加し、現地の非会員も数十名参加した。COVID 19の感染リスクを恐れながらも開催校であるDhurakij Pundit Universityに集まった海外会員は30名弱であった。採択論文は学術論文セッションで18ケ国からの55本(日本からは4本)、ドクトラル・コロキアムで5ケ国からの13本(日本からは1本)であった。この数はコロナ前の大会の半数程度である。

 

 

 

 

 

 

 

  

 

Asia-Pacific Management Accounting Journal (APMAJ) is jointly published by the Asia-Pacific Management Accounting Association (APMAA - which is based in Japan), Accounting Research Institute and UiTM PressUniversiti Teknologi MARA (UiTM). APMAJ focuses on showcasing research findings related to management accounting theory, concepts and empirical research within the Asia-Pacific region and beyond. Its initial publication in 2006 was once a year but starting 2010, the journal issue was increased to twice a year, respectively in June (Issue 1) and December (Issue 2), and effective 2018, thrice a year (April, August and December).   http://arionline.uitm.edu.my/ojs/index.php/APMAJ/about

 

APMAA JapanにおけるAPMAJ バックナンバー在庫について
APMAJ 
バックナンバーの頒布価格はInternational Price per Copy  (Individuals USD25; Institutions USD50)  となっています。APMAA Japan では、国内在庫分に限り、個人/ 機関ともに 2,000/部 でお届けしています。なお、国内在庫が比較的多くあります2008 (vol.2) から 2014 (vol. 9) までの号は当面1,000/部で頒布しますので、この機会に揃えて頂ければと存じます。

購入 の申し込みは、Email にてProf. Dr. Susumu Ueno ( s-ueno@dab.hi-ho.ne.jp )まで お願いします。

2020.10.08 現在国内在庫は下の通りです。

 2020 (vol.15)   Issue 1 (April)   2,   Issue 2 (August)  未発行,  Issue 3 (December)  未発行

 2019 (vol.14)   Issue 1 (April)   2冊,   Issue 2 (August)  2冊,  Issue 3 (December)  2冊

 2018 (vol.13)   Issue 1 (April)   2冊,   Issue 2 (August)  2冊,  Issue 3 (December)  2冊

 2017 (vol.12)   Issue 1 (June)   5,  Issue 2 (December)  2冊

 2016 (vol.11)   Issue 1 (June)   5,  Issue 2 (December)  5

 2015 (vol.10)   Issue 1 (June)   5,  Issue 2 (December)   5

 2014 (vol. 9)    Issue 1 (June)   9,  Issue 2 (December)   6

 2013 (vol. 8)    Issue 1 (June) 47,  Issue 2 (December)   9

 2012 (vol. 7)    Issue 1 (July)  12,  Issue 2 (December) 16

 2011 (vol.6)     Issue 1 (July)  34,  Issue 2 (December) 20

 2010 (vol.5)     Issue 1 (July)  31,  Issue 2 (December) 39

 2009 (vol.4)     Issue 1 (July)  24,  Issue 2 (December) 26

 2008 (vol.3)     Issue 1 (June)  6    

 2007 (vol.2)     Issue 1 (December) 5冊

 2006 (vol.1)     Issue 1 (December) 3冊

 

 

 

APMAA 2014, APMAA 2013の大会記を以下に掲載しております。

     

    アジア太平洋管理会計学会10周年記念(2014年度)大会を終えて       
 

                      上埜  (Chair of the APMAA Board of Directors)

 

はじめに

 海外18ケ国から60名余り、主催国であるタイから60名弱が参加したAsia-Pacific Management Accounting Association (APMAA)The 10th Anniversary Conferenceが、南アジアきっての名門校であるChulalongkorn Universityの主催により、20141027()から30日(木)までの4日間、開催された。会場は同大学に近いCrowne Plaza Bangkok Lumpini Park, Bangkokであった。       

 

Chulalongkorn Universityを俯瞰

 日本からは13名が参加し、浅田孝幸(立命館大学)、木下徹弘(龍谷大学)、細海昌一郎(首都大学東京)、中島真澄(千葉商科大学)の各先生、および山本宗一郎氏(首都大学東京)Lee, Kwan Yuh (首都大学東京)、そして私が報告した。辻 正雄(早稲田大学)、青木雅明(東北大学)、大鹿智基(早稲田大学)、塘 誠(成城大学)、森 勇治 (静岡県立大学)、金 宰U (広島大学) といった先生方も参加された。以下に、大会の様子を日別に記したい。 

大会1日目(1027)

9時から学会誌Asia-Pacific Management Accounting Journal(APMAJ) Editorial Meetingがあり、続いてBoard of Directors Meeting (理事会)に移り、2015年度大会開催国のインドネシア、2016年度開催国の台湾、 2017年度開催国の中国、2018年度開催国の日本という順序で、主催校によるプレゼンテーションが行われた。議事が終わったのは正午であった。午後から夕刻まで、Ph.D. Colloquiumが行われ、採択論文6本につき、執筆者である博士課程学生による報告と、アドバイザーとなった先生方による論文指導が行われた。

夕刻から大会委員長であるChulalongkorn UniversityKanibhatti Nitirojntanad会計学科長の歓迎挨拶を皮切りにWelcome Receptionが始まった。本年度大会がAPMAA創設10周年記念大会であることから、冒頭に、Chair of the Board of Directorsを務める私 (上埜) が、APMAA’s A Decade of  Growth: A Quick Look at Annual Conferences という論題で今回までの大会を振り返るスライド報告を行った。レセプションが終わったのは8時であった。  

 

大会2日目(1028)

2日目の850分から大会開会式が催され、Chulalongkorn Business Schoolの学院長とChulalongkorn Universityの副学長が祝辞を述べられ、2014APMAA President であるYang -Tzong Tsay国立台湾大学名誉教授が開会の宣言を行われた。続いて、授賞式が行われ、2010-2013年の4年間、APMAA Presidentを務めた私にExcellent Service Awardが授与された。  

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 (↑ 1028日午前の開会式後の記念写真)

 午前9時半からはPlenary Session Tに移り、招聘したThomas Ahrens先生 (United Arab Emirates University, UAE)Theoretical Frameworks for Qualitative Accounting Case Researchという論題で講演された。同先生は Contemporary Accounting Research associate editorであり、社会科学研究パラダイムの一翼を担うnon-positivist approachに立つ学派のリーダの一人である。

午前1045分から午後2時までは、今年で3回目になるパネル・セッションが、お昼を挟み、私をモデレータに開催された。本年度の論題は、Management Accounting in Asian Emerging Economiesで、報告者の先生方に自国の管理会計の展開と現況、特徴を話して頂いた。Morning SessionではGunawan, Juniati先生 (Trisakti University, Indonesia)Management Accounting in an Emerging Economy: An Indonesia Perspectiveを、Chandrarin, Grahita先生 (University of Merdeka Malang, Indonesia)A Brief Critical Review of Management Accounting in Indonesiaと題して報告された。また、Afternoon Sessionでは、Wongkaew, Wila-sini先生 (Chulalongkorn University, Thailand) Management Accounting in an Emerging Economy: Thailand Focusを、Chen, Chao先生 (Fudan University, China) Management Accounting in an Emerging Economy: A Chinese Viewと題して報告され、各報告に対し討議者による熱い議論が展開された。2時半から5時までは、4会場に分れてparallel sessions が開催され、総数11本の論文報告がなされた。

 この日の夜はConference Dinner 6時から催された。心温まる歓待があり、参加者一同は選りすぐりの食材からなるご馳走を堪能した。タイ王室にも招聘されているダンシング・チームによるパフォーマンスがアトラクションとして1時間弱にわたり華やかに行われた。さらに、次年度大会の準備委員長のSekar Mayangsari先生がAPMAA2015の広報をなされ、同国から呼び寄せたインドネシアのダンシング・チームによるパフォーマンスと、委員会を構成する先生方による合唱が披露された。

タイ王室にも招聘されているダンシング・チームによるパフォーマンスIMG_0194

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インドネシアの先生方と私(中央左)ならびに辻 正雄早稲田大学教授(中央右):1028日夜のレセプションにて

 

 大会3日目(1029)

3日目は全日parallel sessionsに割かれ、12セッションで39の報告がなされた。日本の先生による報告が7件あった。中島真澄先生(千葉商科大学)は三本の論文を報告された。How Should a Firm Fulfill Corporate Social Responsibility in a Crisis?(太田三郎氏との共同研究)、企業自然災害金融危機といった危機において社会的責任をいかにたすべきかを研究課題にしており、危機時CSRじた具体的には、中小企業が危機から再生可能か否かを判断するための社会的責任の測定フレームワークから導出したモデルを用いて測定した社会的責任指数値が企業の再生可能度を判定する目安を提供できると主張された。

また、奥田真也氏との共同研究であるImplication of Internal Controls System and Accounting Information Systemは、経営者の内部統制に対する姿勢、経営者が考える監査の質、および財務会計システムについて、日本企業の現状を報告された。経営者の関与が内部統制の有効性や監査の質に及ぼす影響を検証した奥田真也氏との共同研究System Integration, Management Involvement, and Quality of Internal Controls and Auditingの報告では、経営者の関与が、内部統制の評価、監査の質の双方に正の影響を与えていると主張された。

木下徹弘先生(龍谷大学)Management of HR Flexibility in Japanese Manufacturersという論題で報告され、日本の製造大企業210社の人的資源のコストおよび数量的柔軟性の変化を過去35年間のデータに基づき分析した結果を披露された。分析はバブル崩壊以前と以後に分けて行われ、知見は、「大企業の多くが、バブル崩壊以後・以前とも人的資源のコスト柔軟性をきわめて高く維持している、また、その数量的なコントロールは非柔軟的である」というものであった。 

午後4時からPlenary Session Uに移り、Bill Chou (CEO of Apex Circuit (Thailand) Co. Ltd. and Apex International Co., Ltd) が、Management Accounting in a Turbulent Environment: CEO's perspectiveという論題で講演された。Apex Circuit (Thailand) Co.は台湾からタイに進出した会社で、製品ラインをlow-end productsに特化し、かつlow cost operationを徹底することで価格競争力を強化するビジネス・モデルを採っている。同氏は自社のビジネス・モデルと経営管理体制の特徴を熱心に説明され、会場から多くの質問があった。午後5時から閉会式を行い、日本で制作したクリスタルの感謝楯を、私から主催校大会組織委員会のスタッフ一同とKanibhatti Nitirojntanad委員長に贈呈し、研究セッションを終えた。

 

 大会4日目(1030)
最終日は、Cultural Visitということでバス・ツアが催され、午前中はバンコク・プラナコーン区にあるタイ王宮Grand Palaceを、午後からはアナンタサマーコム宮殿を訪れた。王室と関係が極めて深い主催校の計らいでGrand PalaceではChakri Maha Prasat Hallの中にある国王の謁見室、晩餐会が行われるホールなどへの入室が許され、黄金と宝石がふんだんに用いられた豪華、かつ気品ある建築物に参加者全員が魅せられた。

 

 

(王宮Chakri Maha Prasat Hall前での集合写真、1030)

昨年秋から反政府デモが高まり政情不安が続いたことから、610日の論文投稿締切日までに寄せられた論文数は20点を切り、対応を迫られた。しかし、523日にプラユット陸軍総司令官がクーデタを宣言し、治安が回復に向かった。投稿期間の延長を指示し、かつ関係者一同に一層の努力をお願いしたことで、総報告件数64件、海外からの参加者60名余と、昨年の名古屋大会に近い規模で10周年記念大会を開催できた。海外参加者は、インドネシア(20)、日本(13)、マレーシア(6)、中国(5)、台湾(5)、香港、シンガポール、モンゴル、ベトナム、アラブ首長国連邦(UAE)、カタールといったアジアの国々と、オーストラリア、ニュージーランド、ポーランド、スウェーデン、カナダおよびアメリカからであった。"The Land of Smiles"として世界に知られるThe Kingdom of Thailandで開催した本大会は、暖かいホスビタリティに満ち、終わってみると、楽しい記憶に残る10周年記念大会になっていた。