日本管理会計学会関西中部部会2006年度第1回大会が7月1日(土曜日)
に甲南大学で開催されました。参加者80名と大変に賑やかな大会となりました。ご参加されました先生、院生、実務家の皆様に心よりお礼申し上げます(06.7.2
上埜進記)。
日時 2006年7月1日(土曜日)
場所 甲南大学 (3号館3階)
交通 マップ キャンパス・マップ
T スカラリー・セッション(10.00 –11.40)
モデル研究や経験的研究など科学的方法にもとづくリジッドな研究の成果を報告するセッションです。1報告を50分とします(35分間報告、ディスカッサントによる討議は10分(報告者・ディスカッサント共にパワーポイント・スライドを準備する)、
フロアによる討議5分)。
司会 三代澤経人氏(立命館大学経営学部教授)
報告@
報告者:豊田尊久氏(関西学院大学大学院商学研究科研究員 小菅正伸研究室)
討議者:澤邉紀生氏 (京都大学大学院経済学研究科助教授)
報告テーマ:「戦略・組織・会計−戦略管理会計の視点から−」
報告概要: 管理会計は、経営管理を支援するための会計である。近年、経営管理においては、経営戦略の重要性が指摘されており、経営戦略の成功なくして組織の成功はないとも考えられる状況にある。一方で、伝統的に管理会計研究では、経営管理において経営戦略は所与のものとされてきた。すなわち、「計画と統制」や「意思決定と業績評価」、「戦略計画、マネジメント・コントロール、オペレーショナル・コントロール」といった伝統的な管理会計の体系からも明らかなように、
管理会計研究では、経営管理における戦略の生成についての議論が主体的に扱われてこなかった。しかし、経営管理と経営戦略が不可分である今、管理会計もこの経営戦略を研究対象として扱わなければならないことは明らかである。本研究では、経営管理の主体である組織、経営管理における重要性を増している戦略、および経営管理を支援する管理会計の三者の関連を通して、戦略重視の組織体のための管理会計の役割について考察する
。
報告A
報告者:芝尾芳昭氏 (大阪大学大学院経済学研究科博士課程 浅田孝幸研究室)
討議者:中嶌道靖氏(関西大学商学部教授)
報告テーマ:「研究開発型組織におけるプロジェクトマネジメント成熟度モデルについての研究」
報告概要:
企業内で遂行されるプロジェクト数は年々増加しており,またプロジェクトの成否は企業業績に直接的な影響を与えている.企業組織のプロジェクトマネジメントに関する成熟度を調査するためのツールは,プロジェクト遂行力を効果的に改善する上で重要なものである.本稿では,プロジェクト遂行レベルの測定および改善機会抽出のための新たなプロジェクトマネジメント成熟度モデル(以下PM成熟度モデルと略す)を提唱している.提唱しているPM成熟度モデルは,2つのマネジメントエリアで構成され,5段階の成熟度レベルで評価するものとなっている.1つはプロジェクト実践マネジメントエリアであり,他方はプロジェクト環境マネジメントエリアである.本成熟度モデルを用いて,これまで2回にわたるベンチマーキング調査を実施した.第1回は,研究開発を中心としたホワイトカラーの複数業種34社に対して実施し,第2回は研究開発型企業の典型である製薬企業32社に対して実施した.両ベンチマーキングスタディーを通して,業務改善に繋がるいくつかのポイントが抽出されたので,その内容を報告する.
U 部会役員会(11.50 -13.00) 9号館第5会議室
昼食費は1,000円程度とし、各自が実費を支払います。
V リサーチ・セッション(13.00
– 14.40)
記述的研究、モデル研究、経験的研究のいずれでも結構です。1報告を50分とします(35分間報告、ディスカッサントによる討議は10分(報告者・ディスカッサント共にパワーポイント・スライドを準備する、
フロアによる討議5分))。
司会: 吉村文雄氏(愛知淑徳大学ビジネス学部教授)
報告B
報告者:水野一郎氏(関西大学商学部教授)
討議者:上總康行氏 (京都大学大学院経済学研究科教授)
報告テーマ: 「現代中国における管理会計の動向と特質−財務管理制度との関わりの中で−」
報告概要: 現代中国における管理会計の発展はめざましいものがある。大学や大学院で講義される管理会計のテキストは、米国の管理会計理論を積極的に導入し、今や欧米諸国と遜色のないところまで充実している。また現実の企業における管理会計実践も新しい管理会計技法を試行錯誤的に導入しようとしている。このような中で独特の位置を占めているのが「企業財務通則」(1993年7月施行)を中心とする中国の企業財務管理制度であるが、昨年この企業財務通則の全面的な改正案が公表された。本報告ではこうした中国の管理会計の発展を押さえながら、全面的に改正されようとしている企業財務通則の意義と役割をあらためて考察し、中国の管理会計の動向と特質を探っていく。
報告C
報告者:上埜進氏(甲南大学会計大学院教授)・長坂悦敬氏
(甲南大学経営学部教授)・杉山善浩氏(甲南大学経営学部教授)・椎葉 淳氏(大阪大学大学院経済学研究科助教授) 、
討議者:
小菅正伸氏(関西学院大学商学部教授)
報告テーマ: 「管理会計・原価計算教育の現況 −実態調査を踏まえて−」
報告概要: 我が国の学部および大学院の管理会計・原価計算教育の実態を知るために、教育現場を担う大学教員を対象に質問票調査を実施した。当該調査は,原価計算講義における教授項目、管理会計講義における教授項目,簿記検定試験や公認会計士試験といった資格試験と講義シラバスとの連動,公認会計士試験の管理会計新出題範囲,教授法、といった5つの領域を対象に行った。本報告、この質問票調査の概要と知見を紹介する。
W テーマ・セッション(15.00
– 17.50)
テーマ・セッションは統一論題に相当するセッションです。管理会計領域における研究教育者として、あるいは実務家として、共有すべきホットなトピックスを取り上げ、討論致します。今回は、「管理会計領域での
ITソルーション活用の現況」を論題とし、第一線でご活躍の経験豊かな実務家にご報告を頂きます。
司会:宮本寛爾氏(大阪学院大学企業情報学部教授)
コーディネーター:古田清和氏(甲南大学会計大学院教授)
討議者:浅田孝幸氏(大阪大学大学院経済学研究科教授)
報告D
報告者:高田純司氏(株式会社ビジネスブレイン太田昭和大阪支店コンサルティング部システムコンサルタント)15:10〜15:50
報告テーマ:「ERP導入と、管理会計制度のレベルアップ」
報告概要:大手・中堅企業を中心に多数の企業が導入しているRRPであるが、管理会計という側面から見た場合、
ERP導入によってどのような効果が期待できるのか、また、そのような効果を最大限に発揮させる為にはどのような点に留意しなければならないかを、これまでのプロジェクト経験や事例をベースに説明する。
報告E
報告者:堀 弘幸氏(株式会社ビジネスアーキテクチャ代表取締役)15:50〜16:30
報告テーマ:「CPM(企業業績管理)の実際」
報告概要:CPM(Corporate Performance Management:企業業績管理)という新たな概念やITソリューションが、最近、注目を集めており、企業への導入が、今、始まろうとしている。CPMに関するコンサルティング・導入支援の経験を踏まえて、トータル・ソリューションの中で重視しているポイントや導入アプローチなどを報告する。
休憩 10分間
報告F
報告者:戸村智憲氏(日本マネジメント総合研究所理事長)16:40〜17:20
報告テーマ:「日本版SOX法対策における第4世代バランス・スコアカード」
報告概要:企業不祥事の未然防止をめざして、金融庁は日本版SOX法の法制化を進めてきた。本報告では、実務家の視点から企業が抱える問題点を指摘し、その上で、内部統制の最も基本たる全体統制を全社的にいかに取り組むかという課題に対する有効な手法となる第4世代バランス・スコアカードを提唱する。
討議および質疑応答
【報告者】
A報告者は、報告概要(パワーポイント・スライド)を2週間前までに大会事務局に送付して下さい。報告当日に報告レジメ(スライドコピー)を参加者に必ず配布願います。
【司会】司会者は厳密な時間管理をお願いします。
X 懇親会(18.10
– 19.30)生協会館2階カフテリア
部会参加費
部会参加費は1,000円です(領収書を発行。院生は参加費無料)。懇親会に出席する方の部会参加費は3,000円です(院生は1,000円)です。なお、昼食は生協の学生食堂を利用できます。部会参加費に対しては領収書を発行します。
大会準備委員会 |
委員長 上埜 進(甲南大学会計大学院教授)
委 員
長坂悦敬(甲南大学経営学部教授)
委 員
杉山善浩(甲南大学経営学部教授)
委 員 古田清和(甲南大学会計大学院教授)
委 員 中西倭夫(甲南大学会計大学院教授)
委 員 村田智之(甲南大学会計大学院教授) |
|