2/23(Wed): 朝7時に起床、9時にホテルをでてMetrolinkで空港へ。St. Louis
をAM.11.30に立ち、Cincinnati経由でPM.4.35に (ラリー・ダーラム)
に到着。Double Tree Guest Suites Durhamに5時30にチェックイン。ホテルで食事。
2/24(Thu): 全米有数の University of North Carolina at Chapel Hill の
Kenan-Flagler Business School
の
Prof. Ed. Blocher
がAM.8.45
にホテルにピック・アップにきてくれる。教授は、”Cost Mamagemet :A Strategic Emphasis (1999, Irwin/McGraw hill, with Prof.Chen and Prof. Lin)の著者。木曜、金曜の二日間、小柄で優しい60歳代前半の彼に付きっきりでお世話になった。Kenan-Flagler Business School
で、AM.9.30から11.00までProf. Ed. Blocherの授業(中間試験を実施)の見学。
[Kenan-Flagler Business Schoolの教室の情報設備]
各教室に、PC、ビデオ、プロジェクター等のマルチ・メディア設備が演台に備えられており、スクリーン操作も含め全ての操作がコントロール・モニター画面で可能。また、全ての学生机にノートパソコンでweb-siteにアクセスするためのポートと電源が整備されていた。なお、教室は円形の階段教室で定員40、あるいは定員70といったサイズである。学生が家でしてきた宿題をスクリーンに写して、授業を進めれる体制が早急に整うことが、Prof.Blocherの希望である。
なお、Olin School Businessもそうであったが、財界人として活躍している卒業生等をDeanが表彰しており、略歴入りの写真を廊下に展示していた。また、財界人を定期的に招いて講演会を催す300名程度収容の立派なホールを建物内に有している。
AM.11.00から12.00までは、National Cheng Kung Universityからの Prof.P. P. Linと共に、Instructional use of IT
について
Mis. Catherine Gihlstorf
から説明を受ける。University of North Carolina各スクールにIT specialistsを配置した支援体制をとっていた。メキシコの大学とのvirtual education、ISDNによる双方向real time教育(国内では回線使用料が一時間につき$40から$180)、Duke
U.のGAMBAなどが話題になった。
Kenan-Flagler Business Schoolのカフェテリアで昼食をとった後、PM. 3.15 に Mr. Tom Mitchell (a member of management team)を訪れ、GE Aircraft のengine assembly plantを見学しながら、エンジン制作におけるteam-based lineの説明を受けた。revenue-sharingをしているIHI(石川島播磨重工業)等のパートナーから調達した部品の組み立て工場であり、製品をBoeingに納入。MRP を実施し、Partの手法を用いてsubassembly-lineを同期化していた。経費削減のために事業所内のlogistics、清掃ならびに設備管理を外部委託している。また、稼働率を上げるためにGEの他工場で行っていたガス・タービン組み立ての仕事を分譲してもらったという。MR PM.5.00にホテルに戻る。
PM.7.00から10.00までProf. Blocher夫妻の招待でDuke U. がある Durham の高級レストランでディナー。
2/25(Fri): Prof. Blocherの車でホテルを出発し、Research Triangle Institute (RTI) の Mr. Edd H. Lovetteに10.00から11.00までインタビューを行う。好天で五月中旬といった天候であった。
[RTIのインタビュー]
RTIは理系の受託研究機関である (政府からの受託が90%、民間企業から10%)。入札値を決めるには原価積算が必要になるが、Lovette氏は、受託する研究を遂行するに必要な施設の建設・維持コストの予測値の積算、ならびに、契約を得て建設した稼働中の施設の維持・管理費の管理( facilities management )を職務にしている。
施設の建設・維持管理に伴う費用予測には市販の専用ソフトを用いており、capital budgeting (PV. method)の手法を用いて算出した数字を契約部門に提出するタスクを行っていた。30年とか40年の命数があり、受託契約 (contracts) 毎に特殊性を持つ施設の資本予算には、過去の類似データの使用に加え、経験や勘が大切なようである。
また、完成した施設の費用管理、すなわち、operations cost managementに予算管理を導入しており、実績の集計を、三ヶ月を単位とした財務諸表データと、月次の速報値として行っている。部下とのミーティングを毎週行っており、是正の指示は適宜与えているとのこと。三ヶ月毎の財務データは、タイム・ラッグが大きく、フロント・ラインの管理に用をなさないという。
なお、三ヶ月毎の財務データの集計は活動と職能を基準に集計しており、Prof. Blocherは、活動基準原価管理の適応例であると、感心していた。organization-wideのbudgetingが報酬と連動して実施されており、彼の部門に配分されたボーナスを部下に実績に応じた配分する作業も行っているLovette氏は、50名近くいる部下の一人一人と年一度というインタ
ーバルで評価・報酬の話し合いを行っていると述べていた。
Research Triangleに進出している日本企業に、住友電工(ホリマ現地子会社社長以下600名)、沖電気、神戸製鋼等があ
った。
インタビュー後、University of North Carolinaのcampusを案内してもらう。もう一週間もすれば木々の葉も開き、新緑につつまれそう。昼食をChinese restaurantでとる。PM3.00からPM.4.30まで Stanford U. の Prof. Beaver によるseminar 「Accrual Component, Earnings Forecasting, and Equity Values」に出席。Financial
accounting関係の教授を中心とした5名の教授を含め、博士課程学生など15名程が参加。発言は教授からしかなかった。
[Prof. Beaverのセミナー] Ohlson modelに5つのaccrualsを説明変数として追加的に導入して、accrualsのinformation contentsを探ろうとした、理論構築的研究であった。Accrualsに関するsolid theoryが存在しないこともあり、研究の意義に疑念を持った。終わってから、挨拶を兼ねて、accrual componentsのvariablesを用いた場合と、用いない場合の各regression equationsのR2を比較する必要、ならびに、変数が景気変動に影響されることから、first-orderのautoregressionの使用に加え、windowを多様にとり、係数のサイン(+,-)がどうかわるかを確認する必要があると意見を述べた。なお、Prof. Beaverは60歳代後半の中肉中背の優しい好々爺といった印象。
帰りも、Prof. Blocherにホテルまで送ってもらう。なお、IT のinstructional utilizationの件は、教授も興味があり、帰国後も連絡し会うこと、日本を訪問する機会があれば連絡頂くように申し添えて別れる。
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